『SAVE THE CATの法則』を読んで脚本の勉強をしてみた

~『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』とは~

著ーブレイク・スナイダー
訳ー菊池淳子

映画の脚本を書きたい人にとってはバイブルのような本で、漫画家や小説家などの物語を考える人にも役立つと評判の本。

今回は映画をもっと楽しむために、ハリウッド映画のストーリーはどういう構造をしているのか本書をつかって勉強してみようと思います。

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』を読んでみた

感想は・・・必要最小限の語彙で表すと、おもしろかった。そして読みやすい。

実は以前、3幕構成で有名なシド・フィールドの本を読んでみようと思ったことがあるんですけど、むずかしそうなのでやめました。

脚本の教科書みたいな雰囲気に負けたというか・・・。

それにくらべるとブレイク・スナイダーは軽いです。深夜の吹き替え通販番組くらいのノリでフランクに話しかけてきます。(逆に合わない人がいるかも)

肝心の中身はどうかというと、チャプターが1~8まであって内容は大体こんな感じです。

  1. 「どんな映画なの?」と聞かれたときに内容を簡潔に伝えて相手に興味を持ってもらえるようにする方法。
  2. 10種類のストーリーのタイプについて。
  3. 主人公はどういう人物であればいいのか。
  4. ストーリーの構造について、筆者の作ったテンプレートをつかって説明してくれる。
  5. 4よりさらに踏み込んだ構造の内容(素人には少しむずかしい)。
  6. キャラの性格や状況の説明をスムーズにするためのテクニックやその他のテクニック。
  7. できあがった脚本をチェックする方法や改善する方法。
  8. 脚本の売り込み方など(ハリウッドでプロになりたい人向け)。

※これは本の目次ではありません

とまあ、脚本を書きたい人向けの内容ですけど、2と4は映画が好きな人なら楽しめる内容だと思います。っていうか、かなり面白かったです。

なので2と4についてもう少しくわしく紹介しようと思います。

ブレイク・スナイダー流 10種類のジャンルわけについて

筆者いわく、すべての映画は10種類のストーリーに分類できるそうです。

アクション、サスペンス、ファンタジーなどのジャンル分けではなくて、ストーリーの本質で分けるのがブレイク・スナイダー流だそうです。

ジャンルは以下の10種類。

ストーリーの本質を踏まえた10のジャンル

  1. 家のなかのモンスター
  2. 金の羊毛
  3. 魔法のランプ
  4. 難題に直面した平凡な奴
  5. 人生の節目
  6. バディとの友情
  7. なぜやったのか?
  8. バカの勝利
  9. 組織のなかで
  10. スーパーヒーロー

これだけじゃどういう風に分類されているのかピンとこないと思うので、ひとつを取り上げてボクなりに解釈したものを紹介します。

6の【バディとの友情】がわかりやすいので、それで説明します。

ジャンル【バディとの友情】はどういったストーリーの流れかというと・・・

お互いを嫌っている二人が主役→

→何か理由があってコンビを組んで協力することになる→

→反発し合うが次第に信頼関係が生まれてくる→

→それでもプライドなどがジャマしてケンカ別れ→

→でもやっぱり、お互いに相手が必要だと気づいて仲直り→

→お互いにとって最高のバディ(相棒)になる。

といった感じ。

刑事ものとかによくあるパターンですよね。

でも、こういう風に書かれると他にもどこかで見たことのあるパターンだと思いませんか?

ラブコメ映画や少女漫画などでもよくあるパターンですよね。

実はラブコメなどの恋愛ものの一部はバディものと同じジャンル【バディとの友情】に分類されるそうです。なんと、バディものの相手の性別を変えるだけで恋愛ものに変わってしまうんです。

このような物語の本質的な部分(ストーリーの構造)で分類しているのがブレイク・スナイダー流のジャンル分けだそうです。

他にもこの方法で分類すると『スター・ウォーズ』と『オーシャンズ11』が同じジャンル【金の羊毛】になったり、『ダイ・ハード』と『タイタニック』が同じジャンル【難題に直面した平凡な奴】になったりするそうです。

さすがに10種類すべて説明すると怒られそうなので、興味がわいてきた人は自分で調べるなり確かめるなりしてください。

ブレイク・スナイダー・ビートシートについて

チャプター4で紹介されるブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)。これがこの本の目玉だと思います。個人的にもいちばん楽しめました。

どういうものかというと、こちらです。

ブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)

1.オープニング・イメージ(1)
2.テーマの提示(5)
3.セットアップ(1~10)
4.きっかけ(12)
5.悩みのとき(12~25)
6.第一ターニング・ポイント(25)
7.サブプロット(30)
8.お楽しみ(30~55)
9.ミッド・ポイント(55)
10.迫り来る悪い奴ら(55~75)
11.すべてを失って(75)
12.心の暗闇(75~85)
13.第二ターニング・ポイント
14.フィナーレ(85~110)
15.ファイナル・イメージ(110)

SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術

()内の数字は脚本の何ページ目にそれが書かれているか、110分の映画だと何分くらいにそれが起こるのかということらしいです。

ほとんどのハリウッド映画は15個の要素からできたこの構造になっているそうです。なので、これに当てはめるように考えると物語がつくれてしまうという代物。

1~15はそれぞれどんな意味や内容なのかは、この本の重要な部分なのでネタばらしするのはやめておきます。

ブレイク・スナイダー・ビート・シートの感想

なるほど、たしかにハリウッド映画は大体こんなパターンだ。と納得。

そして、ストーリーを動かす要因のほとんどが主人公の気持ちの変化にあるんだということがわかりました。

あと、実際に映画のあらすじをこの15個のブロックにわけて、どこがどこにあたるのか解説してくれているのがありがたかったです。

まとめ

脚本の勉強をしてみて、というか本を一冊読んだだけですが・・・。ハリウッド映画の基本の型を学べたし、ジャンルの分け方もすごく参考になりました。

本当は勉強して気づいたことや、ためになることをもっと書きたかったのですが、ただの『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』の紹介になってしまいました。

ということで最後まで紹介に徹します。

脚本やストーリー作りの役に立つのはもちろん。先ほど少し紹介した10種類のジャンルとビート・シートは映画が好きな人なら「なるほど!」と楽しめる内容ですし、ハリウッドの裏事情なども知れるのでおもしろいです。

ただ、手品の種明かし的な本なので、種を知ると楽しめないタイプの人は読まないほうがいいかもしれませんね。

最後まで読んでくれた方ありがとうございます。